第8期ランク戦期間中にはセレクションパックインヴィンシブル・レイドが追加され、宝玉獣、DDD、極星などの既存テーマ強化や、ライフを自ら減らして戦う新テーマダイノルフィアの登場がありました。
インヴィンシブル・レイド
ただ、新カードが環境を大きく塗り替えるような活躍をしたかと言えば微妙です。若干ダイノルフィアの使用はありましたが、どちらかというと面白い動きをするテーマを楽しむという目的で使われる印象が強く、環境トップメタに食い込むというまでには至りませんでした。
そのため、環境の景色としては第8期ランク戦は、基本的には第7期ランク戦と同じような環境が続いています。
勇者
勇者はアラメシアの儀で特殊召喚される勇者トークンを装備カードで強化したり、サポートするモンスターカードを活用するテーマです。ただ環境トップ層ではもっぱら流離のグリフォンライダーによるお手軽1妨害を作れる出張テーマとして活躍しています。
なお、このワンダリング・トラベラーズの発売前の制限改定で勇者トークン生成のアラメシアの儀とこのカードをサーチできる聖殿の水遣いが準制限に指定され、登場する前に釘を刺される形にはなりましたが、しっかりと環境で大暴れしています。
勇者プランキッズ
プランキッズはリンク召喚と融合召喚を多様するテーマで、素材になると別のプランキッズモンスターをデッキから特殊召喚できる共通効果を活かして息切れしない展開を行えるのが特徴です。特にリンク1のプランキッズ・ミューから展開を始めることができるので、手札に1枚プランキッズモンスターがいればすぐに本命の展開ルートに入れる安定性が魅力的で、もともと環境でもたまに見かける有力なテーマではありました。
しかし、墓地で発動するデッキから特殊召喚を繰り返すテーマ、ということで増殖するG、灰流うらら、原始生命態ニビル、墓穴の指名者といった主要な汎用カードがかなり手痛い急所になっており、特に対策をされていないデッキに簡単に止められてしまうという問題を抱えていました。ところが、これらのカードに簡単に対応できる流離のグリフォンライダーが使える勇者とタッグを組むことで、本命の展開を通すことができるようになり、急速にトップ層に踊りでました。
ふわんだりぃず
ふわんだりぃずは召喚権を増やす効果と召喚成功時の効果を組み合わせることで、何度も通常召喚を繰り返して特殊召喚テーマに負けない展開を目指す鳥獣族テーマです。ちなみにカタカナ語が多い遊戯王の中で、ふわんだりぃずは初めてテーマ名がすべてひらがなでできているテーマになります。
そのかわいらしい名前と絵柄に似つかわしくない凶悪な効果から「害鳥」と呼ばれるほど環境で大暴れしています。
下級ふわんだりぃずは、ほかの鳥獣族が召喚されると除外されている自身を回収できる効果を持っており、リソースを途切れずに展開できるだけでなく、除外カードとかなり相性がよくマクロコスモスやディメンション・アトラクターなど除外カードを躊躇なく採用して相手の墓地利用を一方的に防ぐことも可能です。
また特殊召喚を一切使わず、召喚時に場で発動する効果で展開していく特性上、増殖するGが効きにくい一方でエフェクト・ヴェーラーや無限泡影が強く刺さるため、汎用手札誘発カードの採用率に影響を与えるようになりました。
電脳堺
電脳堺は自分の場にある電脳堺とは違う種類のカードをデッキから墓地に送ることで特殊召喚できる下級モンスターの共通効果を活かして墓地を肥やしつつ展開をおこなう戦いが特徴的なテーマです。
特に強力なのが圧倒的な制圧力のある真竜皇V.F.D.を1ターンで召喚できる展開ルートがあり、相手のデッキタイプや初手によってはそれだけでゲームが決まるほどです。
もともと長く環境に君臨したテーマで、第8期ランク戦で特別活躍したというわけではありませんが、並行開催されたデュエリストカップで上位層がこぞって使用するなど注目を集めました。