烙印融合はなぜ強い?
ザ・ニューボーン・ドラゴンにて新しく収録された烙印融合が急速にマスターデュエルの環境を塗り替えています。第9期ランク戦はまさに烙印融合で完成した烙印デスピア一色という具合です。
このカードの強さは要約すれば
- かなり広範囲のカードをデッキから墓地に送ることができる
- 手軽に強力な融合モンスターを特殊召喚できる
- デッキから簡単にアクセスできる
の三点になるでしょう。
そして、これだけのメリットを享受するならさぞ重いコストや制約があるかと思えば、コストはなく制約は「そのターン融合モンスターしかEXデッキから出せなくなる」という緩い制約を受けいれるだけで済むというガバガバ具合もこのカードの強さに拍車をかけています。
この3点を詳しく確認していきます。
手軽に強力な融合モンスターを特殊召喚できる
烙印融合はアルバスの落胤を融合素材にするモンスターを、融合素材一式をデッキから墓地に送ることで融合召喚します。融合素材を手札や場に用意しなければならない通常の融合召喚は融合を含めて最低でもカードを3枚消費しますが、烙印融合だと1枚消費だけで済みます。
場の効果 | 墓地に送られたエンドフェイズの効果 | |
---|---|---|
灰燼竜バスタード | 融合素材の星に応じて自己強化 融合召喚したターンEXモンスターの効果を受けない耐性 | ドラグマまたはアルバスの落胤をサーチ |
痕喰竜ブリガンド | 戦闘破壊されない 相手は自分のカードを対象に取れない | トライブリゲードまたはアルバスの落胤をサーチ |
深淵竜アルバ・レナトゥス | 融合素材の数だけ攻撃できる | 融合カードをサーチ |
神炎竜ルベリオン | 場・墓地・除外から素材をデッキに戻し融合召喚 | |
烙印竜アルビオン | 手札・場・墓地から素材を除外し融合召喚 | 烙印魔法・罠カードをサーチ |
なお、EXデッキのカードを素材に指定する氷剣竜ミラジェイドや特殊召喚された場のモンスターを要求する鉄駆竜スプリンドは、アルバスの落胤を素材に指定してはいますが烙印融合では融合召喚することができません。しかし、融合召喚成功時に墓地のアルバスの落胤と自身を除外して融合を行う効果をもつ神炎竜ルベリオンや神炎竜アルビオンを経由することでこれらのカードも融合召喚可能です。
特に氷剣竜ミラジェイドは強力で、フリーチェーンで場のモンスター1体を除外する効果を持っており、烙印融合1枚から出せる手軽さに引き換え強力な妨害効果を発揮できます。
かなり広範囲のカードをデッキから墓地に送ることができる
烙印融合はアルバスの落胤を融合素材にするモンスターを、融合素材一式をデッキから墓地に送ることで融合召喚する効果を持ちます。これらの融合モンスターはアルバスの落胤と素材に指定されるもう1枚のモンスターの条件がかなり緩いという特徴があります。
墓地に送ることができるモンスターの一覧は以下の通りです。
墓地に送れるカード | 一例 | |
---|---|---|
灰燼竜バスタード | 攻撃力2500以上 | 黄金卿エルドリッチ |
痕喰竜ブリガンド | 星8以上 | 黄金卿エルドリッチ |
深淵竜アルバ・レナトゥス | ドラゴン族 | ドラゴンメイドモンスター |
神炎竜ルベリオン | 闇属性 | シャドール・リザード D-HERO ディアボリックガイ E・HERO シャドー・ミスト バンシー 悲劇のデスピアン |
烙印竜アルビオン | 光属性 | 黄金卿エルドリッチ サイバー・ドラゴン・ヘルツ 妖精伝姫-シラユキ |
このようにテーマを超えて幅広いカードを墓地に送ることができ、強力な融合モンスターを展開しつつ、素材の墓地効果を発動するといった芸当が可能になります。
デッキから簡単にアクセスできる
いかに強力なカードでも手札に引き込めなければ使うことができません。しかし烙印融合に関して言えばデッキからアクセスする手段が多く、かなり安定して烙印融合を主軸にした初動を展開することができます。
捕食植物ヴェルテ・アナコンダはデッキから「融合」カードを墓地に送ってその効果を適用するリンクモンスターです。もちろん烙印融合にも対応しています。このカードを出すリンク素材指定も効果モンスターを2枚用意するだけという手軽さです。
デスピアの導化アルベルは通常召喚・特殊召喚成功時に烙印魔法・罠カードをサーチする効果をもつ下級モンスターで、烙印融合をサーチすることができます。
このカード3枚と烙印融合3枚ずつ投入した6枚体制では、初手5枚のなかでこれらのカードを1枚でも引き込む確率は50%を超えます。灰流うららなどの妨害はありますが、2ゲームに一度初手に墓地にモンスターを送りつつ、氷剣竜ミラジェイドを構える展開ができると考えると驚異的な安定性と言えます。
烙印融合の恩恵を受けるデッキ
デスピア
もともとリファインド・ブレードで主要な動きが実装されたデスピアは融合テーマの一角で緩い融合制限と悲劇のデスピアンなど融合素材になったときに効果を発動する優秀な融合素材モンスターを活用して、途切れなく強力な融合モンスターを展開していく強力なテーマでした。
今回新たに烙印融合が加わり、融合素材になったときの効果をデッキ融合で発動できるようになり、融合すればするほど手札が増えていくというとんでもないデッキに化けました。またデスピアの導化アルベルの効果でデッキから烙印融合をサーチすることができるのも抜群の相性です。
このようにデスピアは烙印とは別の動かし方もできるものの相互のシナジーがとても大きいため、併せて烙印デスピアというセットにしたテーマで語られることが多いです。
エルドリッチ
エルドリッチは魔法・罠カードをコストに墓地から何度でも蘇生する上級アンデット族モンスターの黄金卿エルドリッチを中心に罠カードで相手をコントロールしていくデッキです。
一旦引いてしまえば何度でも蘇生できる黄金卿エルドリッチをうまく回すために、いかに早く黄金卿エルドリッチを引き込むかというのはエルドリッチデッキの課題でした。そこで融合素材として黄金卿エルドリッチを墓地に送ることができる烙印融合が脚光を浴びることになりました。
以下の手順で烙印融合1枚から、墓地に黄金卿エルドリッチかつ場に氷剣竜ミラジェイドという強力な盤面を作ることができます。
あとは氷剣竜ミラジェイドで烙印竜アルビオンを墓地に送りつつ相手モンスターを除外すれば、烙印竜アルビオンの墓地効果で再び烙印融合を手札に加えて次の展開に繋げることができます。
サンプルデッキはこちらをご覧ください。